こんにちは
五島列島といえば最近は
NHKの朝ドラ『舞い上がれ!』の舞台としてホットよね。
わたしは潜伏キリシタンのwikipediaを読んで
五島列島に興味を持ち、漠然と行きたいな〜と思って
正月明け早々連休を取得し
2023年1月9日(月)〜1月15日(日)で
五島一人旅に行ってきたのでレポします!
(会社、クライアント、ありがとう🙏)
全体的な工程はまとめ記事に改めて記載しますが、
博多港から大型フェリー「太古」に乗り南下。
最初に上陸したのは小値賀島ですが、そこから
アクセス難易度Sな第二離島、野崎島へ。
※朝ドラ全く関係ないです。
あと、すごかったです野崎島。
野崎島とは?
野崎島は長崎県北松浦郡小値賀町にある島。
小値賀島が人口2000人なのに対し、
属する野崎島の住民登録はたった1人。
その1人は後述する「おぢかアイランドツーリズム」の職員の方で
人が住んでいないと定期船が廃止されてしまうからとのこと。
野生の鹿が400頭ほどおります。
平坦な小値賀島とは正反対で、五島列島特有の険しい地形。
手付かずの深い森で覆われています。
2018年、
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成遺産として
「野崎島の集落跡」が世界文化遺産登録されました。
野崎島に渡航する際は
おぢかアイランドツーリズムに事前連絡が必要です。
なぜなら厳しい自然環境にあるほぼ無人の島であり
定期船は1日2往復しかない上に欠航もあり得るので(後述)
遭難や、島に取り残されるようなリスクを避けるためです。
野崎島には「自然学塾村」という廃校を利用した施設があり、
休憩だけでなく宿泊することも可能。
宿泊する場合ももちろん要予約!
野崎島へ行く格好ですが、
動きやすいパンツスタイル、スニーカーがマスト!
五島の冬は全体を通して暖かさを感じましたが
野崎島は別。常に強風が吹いているので防寒対策絶対して。
また島にお店はないので、
食べ物と飲み物を持参しましょう。
野崎島へのアクセス
概要と注意点
アクセス難易度かなり高めよ。
野崎島からの定期船は小値賀島からのみ出ています。
つまりまずは小値賀島に向かう必要があります。
中通島の津和崎港から海上タクシーで向かうこともできますが
津和崎もなかなかの場所にあります。(別記事書きます)
小値賀島(笛吹港)↔︎野崎島(野崎港)の定期船は1日2往復。
大人片道520円。乗船時間は行き35分、帰り25分。
小値賀島→野崎島
7:25発、14:30発
野崎島→小値賀島
8:05発、15:10発
つまり日帰りするには
7:25小値賀発で行き15:10野崎発で帰るしかない。
※日曜日は1便が小値賀7:25発ではなく11:10発となる日もある。
でも毎週ではないよ。冬季はむしろ日曜運休が多いよ。
運休日なども決まっているので
詳細はおぢかアイランドツーリズムのHPをチェック。
ちなみに各地から小値賀へ朝到着する便は以下。
・博多から:朝4:40着
・佐世保から:10:50着
・中通島(上五島・有川港)から:10:50着
・福江から中通島(上五島・青方港)経由:13:00着
前述したように、日曜特別ダイヤ運行日は
小値賀から野崎行き11:10発があるので
佐世保or中通島から小値賀10:50着で間に合います。
それ以外の日は博多から小値賀4:40着を利用するか
(小値賀港ターミナルに仮眠室があります)
小値賀島に宿泊した翌朝に行くしかありません。
計画の際の注意点!
①海が時化ると欠航(運休)します。
特に冬季は確率高め。
②野崎島に日帰りした後は
小値賀島での宿泊が必須となります。
野崎島から15:10発→小値賀15:30着で帰ったとして、
小値賀から出る船は既に全ての行き先が終了しています。
※チャーター便等の特別な場合を除く
ちなみに小値賀島は小さく回りやすい形なので
半日もあれば満喫できてしまうのですが、
近年小値賀島では古民家ステイが活発で
のんびり2泊以上滞在する人も増えているみたい!
そのナカ日で野崎島行くのも良いかもね〜〜
わたしの行き方
悩みに悩み抜いて決めた計画は
1.博多から4:40着のフェリーで小値賀へ
2.小値賀港ターミナルで仮眠
3.小値賀(笛吹港)7:25発で野崎島へ
4.名物ガイドさんと散策後自由時間
5.野崎15:10で小値賀(笛吹港)に帰着
6.小値賀泊 ※翌日は朝の便で中通島へ。
です。
博多港から23:45発の大型フェリー太古に乗り
4:40に小値賀港ターミナル到着。
この日は成人の日の3連休の翌日。
10人ちょっとの人と一緒に船を降りましたが
どの人もお迎えの車に乗っていきました。
ターミナル内はひと気がなく心細い。
女性専用の仮眠室の看板が出ているので中へ。
1人だったので気まずい思いはしないものの、
他に誰もいないという不安もあり一睡もできず。
6時ごろになると外がガヤガヤしてきます。
6時半になったらターミナル内にある
おぢかアイランドツーリズムの窓口へ。
ツアーは1人3500円なのですが、
今回わたし1人での決行ということで
2人分の金額7000円+税をお支払い。
(これは事前に聞いていたことです)
早朝からやっている売店でパンとお茶を買い、
7時になったら小値賀港から歩いて5分の
笛吹港へ移動します。
切符購入兼点呼の後、
町営船「はまゆう」に乗船。
運転手さんを含め乗組員2人、
おぢかアイランドツーリズムのスタッフさん、
名物ガイドの前田さん、
ガイドに参加しない個人観光の男性、
そしてわたしの計6人で出発。
小値賀島・野崎島間の航路には実はもう一つ、
「六島(むしま)」というこれまた人口1人の島があり
住民から利用の連絡がなければ六島は経由せず
南回りのルートで野崎島に直行します。
写真右上にモニタがあり
野崎島の説明映像が流れるのですが
出港して10分ぐらいした頃かしら・・
くっっっっっっそ揺れる
ちょっと命の危機がよぎった。
瀬戸内海育ちの自分からすると
これでよー船出す判断したね!?!?と思いながら
これは転覆するかもしれんと覚悟したレベル。
前後45度ぐらい傾いとるんじゃないかってくらい
もうバイキング状態で、全然前に進まんし
救命胴衣とか準備した方が良い、、、?と
他の人見たらとりあえず誰も騒いでおらず。
きっとベーリング海の蟹工船よりはマシだ、と
必死に平然を装って過ごした。。。
朝日が昇ってきた。おはよう。
なんとか無事時化ゾーンを越え野崎港到着。
おぢかアイランドツーリズムのスタッフさんに
「あのいつもこんな感じで揺れるんですか」と聞いたら
「いや今日のは流石にどうしようと思ったと思うよww
でも船長さんたち元漁師だから上手いんですよ!」
名物ガイド前田さんにも同じこと聞いたら
「あれはわかってたら欠航してたな!
でも船長らぁ元漁師やけん大丈夫ばい!」
とりあえず元漁師への信頼度はすごい。
晴れ=時化ない ということはない。
あと六島回りだともっとやばいらしい。
・・・以上、野崎島へのアクセスについてでした!
名物ガイドさんと
マンツー散策レポ
概要
野崎島といえば!という名物ガイド、
前田さんがマンツーで案内してくださいました。
なんかお顔見たことあるかも?と思ったら
予習で読んでた地球の歩き方に載っておられる方でした。
わたしが今回6時間かけて散策したのは色をつけたエリア。
正直だいぶ時間余るけど15:10まで船がないから仕方ない。
ちなみに北の先にある「王位碑」
南の先にある「舟森集落跡」は
それぞれ往復5時間の登山が必要になるので
体力に自信のある方は前田さんにご相談を。
王位碑は崖にそびえ立つ高さ24メートルの石の上に
石が乗っているという神聖なパワァスポット。
小値賀島↔︎宇久島の船と、
小値賀島↔︎六島↔︎野崎島の船から見えます。
舟森集落跡は、崖を切り崩した痩せた土地ですが
かつてキリシタンが住んでいたところ。
こちらはわたしが今回乗船した
小値賀島↔︎野崎島の船から見えます。
帰りの船から見えました。
(行きで死ぬほど時化てたゾーン)
中央に白い十字架が立っているのがわかりますか?
崖を段々畑状に切り拓いているようですが
いかに厳しい暮らしだったかが想像できるね。
野崎集落跡
内容に入っていきます!
まず港の休憩所で注意点などを聞き出発。
港に着いた時点でわかるのですが、
廃墟化した住宅が残されています。
島にはかつて野崎・野首・舟森の3つの集落があり
最盛期は650人が暮らしていたそう。
その中でも野崎港周辺の野崎集落は最後まで人が住んでいたところ。
今にも崩れ落ちそうな旧住宅は
補強されるでもなく、少しずつ自然に侵食され
「昨日まで建っていた家が次の日倒壊している」
ということもあるそう。
なので住宅や石垣の中に入るのは厳禁よ!
ガイドの前田さんは野崎島のことだけでなく
ガイドになった背景やこれまでの人生経験
紆余曲折あったからこそ語れる考え方など
いろいろお話しながら歩いてくれます。
集落の東奥にあるのは、
沖ノ神神社(王位碑のあるところ)の
神主さんが代々住んでいた邸宅。
住民が誰もいなくなっても、
2001年まで神主さんご夫婦だけが
ここを守り続けていたとのこと。
今はちょっとした資料館に改装されています。
この邸宅の裏、さらに東に抜けると、、
広々としたサバンナが広がります。
野崎火山火口跡
風が凄まじい。
前田さんの声ぜんぜん聞こえん。
木がねもう、風の形に変体してるのよ。。
この火口跡付近は赤土に恵まれていて、
段々畑が形成されていたようです。
夏に来たら芝が青々として
赤土とのコントラストが美しいだろうね!
端に行くと「ゴジラのしっぽ」という名所を望めます。
キザギザした岩が本当にゴジラみたい。
そして
風強すぎて屋根が吹き飛ばされたままの東屋。
屋根は数十メートル離れたところに
置き去りにされておりました。。
ここだけ哀愁漂う真新しさ。。。
島内にはシカがいるけれど、宮島や奈良の鹿と違って
厳しい環境で強く生きる彼らは人間が近づくと逃げる仕様。
ただ前田さんだけは例外らしい。こっち見てくれる。
旧野首教会
港に戻り、前田さんの軽トラで
旧野首教会のある野首集落跡へ。
草木生い茂る超絶狭い山道を
ぐんぐん登っていって急に視界が開ける。
5分ほどで旧野首教会のふもと、
自然学塾村に到着。廃校になった校舎。
こちらで宿泊することもできます。
前田さんの作業場があり「ちょっと休憩しててー」とのこと。
10分ほどゆっくりして教会へ出発します。
自然学塾村の裏から階段を登ってGO!
五島列島で初めてのカトリック教会がここ!
晴れてよかった〜〜〜〜
そして一眼レフ忘れたのがマジで悔やまれるぅ
なぜ「旧」がついているかというと、
既に教会という役目を終えているから。
各地から巡礼に来られる人ももちろんいますが、
元々いた野崎島のキリシタンの人々は
小値賀島に代わりの教会「小値賀教会」を設立し
小値賀島や他の場所に移り住んで行ったそうです。
「旧」のついた教会は中の撮影が可能ですが
ついていない現役の教会は信者の祈りの場所ということで
撮影禁止です。気をつけてくださいねーーーー。
旧野首教会は現在天井の老朽化のため
中に入ることができません。
前田さんに扉を開けていただき撮影しました。
この教会は五島やその周辺の教会建築の巨匠である鉄川与作の設計。
今後ご紹介する教会たちも与作作がたくさん出てくるよん
1873年、
信仰の自由を手に入れた野首集落のキリシタン
残っていたのはたったの17戸。
コツコツと生活を切り詰め、厳しいキビナゴ漁に出て
現金で3000円(現在の価値で約2億円)もの資金を貯め
1908年、とうとう念願のレンガづくりの教会を建てたそう。
完成を見届けることのできなかった信者も
きっといるだろう、と、前田さんは話してくれました。
1971年に最後の住民が島を離れて廃村となるまで
ずっと野首集落を見守り続けた祈りの場です。
入り口からの景色。こちらも段々畑。
写真中央あたりにある小さな石碑には
「昭和16年12月8日」と刻まれていて、
日本軍の真珠湾攻撃を讃える意味らしい。
キリスト教=敵国の宗教、という印象で
再び迫害されるのを防ぐためだったとのこと。
なんかね前田さんがちょいちょい
あ、これ誰か文豪の名言だ、多分落語の一節だ、
みたいなこと織り交ぜてくるのだけど
わたし恥ずかしながらそのあたりの教養ないからさ
その度に「ごめんわからんww」言ってた。
12月8日だけはピンときたけどね
ここらで時間は12:30
あっという間に4時間半経過。
ここで前田さんとは解散して、
帰りの船の出る15:10までフリータイム。
どの角度から見てもいいよね
海の上の丘にぽつんと佇む赤煉瓦。
野首エリアのくびれを西に進むと
小値賀島へ送水している野崎ダム、
チャーター船のみが停まる野首港があるよ。
あまり遠くに行くのは怖いので
ゆっくり歩きながら野崎港へ戻ることに。
あの朝の大波が信じられんほど
穏やかで青い海と白い砂浜。
だいぶ時間余ったので港で黄昏ていると
それを察したアイランドツーリズムのスタッフさんが
「鹿のビデオ見ませんか?」と声をかけてくれました。
休憩所で野崎鹿のビデオを見ながら
スタッフさんご出身の中通島について情報収集。
15時になり前田さんも港へ戻ってこられました
帰りはびっくりするほど静かな波。
さよなら〜
感じたこと
ガイドさんにお願いしてよかった!
歴史にしても地形にしても、
ここまで背景の深い島、いくら勉強して行っても
現地の人と会話しながらじゃないと理解が難しい。
それに前田さんぐらいになると野崎島だけでなく
小値賀島についてももちろん知り尽くしているから
生の情報たくさんいただけてありがたい。。
あとねー廃墟とか誰もいない島の運営とか
へぇ〜って思うことが結構ある。
てか、旧野首教会の写真を見て
この写真撮れたらいいな〜ぐらいの温度感だと
なかなか実際島に行こう!とまでならないと思うのだけど
とりあえず行ってくれ。
野崎島の後は
15時半ごろ小値賀に帰着し、
アイランドツーリズムに預けていた荷物をピックアップ。
歩いて10分ぐらいの民宿にチェックインし
アイランドツーリズムで教えていただいたレンタカー屋さんに電話。
そこからは車で小値賀めぐり。
また次の記事で振り返る。
他にも、中通島、若松島、日島、
頭ヶ島、福江島、久賀島などに行ったよ。
旅のバイブルは地球の歩き方。
なんだかんだで一番わかりやすい。
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